資金繰り表作成の手順 -5-
売掛金回収の予測方法
資金繰り予定表の作成において、売掛金回収の予測方法をもう少し深掘りして
説明します。
1.得意先別の売上計画がある場合
予測の精度を上げるため、別シート【表2-1】を使って得意先別に算出していきます。
(1)月別売上計画がない場合
得意先A社の前期売上高について、通期合計および月別の実績額を入力します。
→①
A社の前期売上高について、月別の割合を算出します。 →②
例:4月 200÷2,550=7.8%
A社の当期売上高(通期合計)に前期の月別割合を乗じて当期の月別売上高を
算出します。 →③
例:4月 2,805×7.8%=220
A社の売掛金回収条件に合わせて月別売上高を移動させます。 →④
【表2-1】では、月末締め翌月末回収として、1ヵ月後ろ倒しで入力しています。
翌々月末回収の場合は、2ヵ月後ろ倒しで入力します。
予測の開始月(ここでは4月)の売掛金回収額は、前月(3月)の売上高実績額を
入力します。 →⑤
上記の工程を他社(B社、C社~)についてそれぞれ行います。 →⑥
全社分を集計して、本体シート(資金繰り予定表)へ転記します。 →⑦
(2)月別売上計画がある場合
上記①~③の工程は省略できるので、策定されている月別計画値を用いて、④~⑦の工程を進めてください。
2.得意先別の売上計画がない場合
(データが入手できない場合も含む)
【表2-2】を使って簡便的に、全社分を一括で算出します。
前期の資金繰り実績表の月別の売掛金回収額(全社合計)を入力します。 →⑧
全社の売上伸展率を算出します。 →⑨
売上伸展率=当期売上高(計画値)÷前期売上高(実績値)
前期の月別売掛金回収額に売上伸展率を乗じて当期の月別売掛金回収額を
算出します。 →⑩
例:4月 5,350×120.0%=6,420
次回予告:収支と損益