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資金繰り表とは -4-

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実績表と予定表

 

資金繰り表には、実績表と予定表の2種類があります。

 

これまで見てきたのは、「資金繰り実績表」です。

その名の通り過去の資金繰り実績を表します。

一方、「資金繰り予定表」は未来の資金繰りの予測を表します。

 

より重要なのは、「資金繰り予定表」です。

そもそも資金繰り表を作成するのは、未来の資金繰りを予測し、

資金不足に陥りそうな場合に、事前に対策を講じて倒産を回避することが

目的だからです。

 

 

実績をベースに未来を予測する

 

過去実績より未来予測が重要といっても、いきなり未来予測するのは難しいので、

まずは過去実績をしっかり把握します。

過去実績を分析することで、より精度の高い未来予測が可能になります。

 

事業計画や予算を策定している場合は、

資金繰り予定表をそれらに連動させることになります。

 

資金繰りは月単位で組むことになるので、

月単位で事業計画や予算を組んでいる場合は、

入金時期や支払時期の調整は必要ですが、ほぼそのまま活用できます。

 

月単位で事業計画や予算を組んでいない場合、

過去実績を参考にして未来予測を行う必要があります。

例えば、売掛金入金(売上)の予測に過去の季節変動要因を織り込んだり、

税金支払月や賞与支払月の情報を反映したりします。

 

 

資金繰り表は内部管理用の資料

 

資金繰り表は、損益計算書などと異なり年次決算や税務申告の添付資料に

含まれていません。

法的に作成が義務付けられている資料ではないのです。

 

会社の内部資料なので、形式は自由です。

 

ただし、すでに借入をしている、またはこれから借入をしようとしている場合、

金融機関から提出を求められる場合があります。

融資をする金融機関の立場からすると、

その会社に返済能力があるかどうかが決定的な判断基準になります。

資金繰り表を作成して返済能力があることを金融機関に示すことができれば、

融資が通りやすくなります。

 

 

次回予告:資金繰り表作成の手順

 

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